重度訪問介護従業者とは?

食事補助をする介護士

重度訪問介護従業者とは、重い障害を抱えた方の訪問介護に従事できるようになる資格です。

都道府県が指定する養成機関で、所定の研修を修了することで取得することができます。

未経験者でも受講することはできるので、社会福祉士などに比べると取得しやすく、介護業界で働くことを考えている方にはおすすめの資格です。

このページでは重度訪問介護従業者の業務内容や、資格を取得する方法を解説しています。

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重度訪問介護従業者の業務内容

重度訪問介護従業者の主な仕事内容としては、利用者の住居へ訪問して、身の回りのお世話を行います。

食事や入浴、または排泄の介助を行うだけでなく、洗濯や掃除など日常生活を送る上での必要な業務も行います。

また利用者の多くは自力で動くことができないので、心のケアを伴うコミュニケーションスキルも必要となります。

重度の障害を抱える方の中には、難病や脳性マヒなど急に容態が変化しやすい状況の方も多いので、緊急時には適切な対応を取れる基本的な知識も必要です。

「基礎課程」と「追加課程」に分かれています

重度訪問介護従業者は「基礎課程」と「追加課程」の2種類あります。

障害程度区分4~5の方の介護は「基礎課程」を受講していれば従事できますが、障害程度区分6の方の介護には「追加課程」まで受講しておく必要があります。

都道府県によっては「基礎課程」と「追加課程」を同時に受講できる「統合過程」を実施しているところもあるので、確認しておきましょう。

重度訪問介護従業者を取得するには?

重度訪問介護従業者を取得するには、都道府県が指定する養成機関で研修を受けなければなりません。

すべてのカリキュラムを受講し、実技演習を修了することで、重度訪問介護従業者養成研修修了証明書が付与され、資格を取得することができます。

研修自体は一日で受講できるので、訪問介護に従事しようと考えている人は、空いた時間を見つけて受講しておくことをおすすめします。

受講資格

重度訪問介護従業者の養成研修を受講するには、特定の資格や条件はありません。

介護関連の資格を持っていない方や、これまで介護関連の業務経験がない方でも受講することができます。

将来訪問介護業界で働きたいと希望を持っている方であれば、誰でも受講することができます。

カリキュラム

【基本課程】

講義 時間
重度の肢体不自由者の地域生活及び従業者の職業倫理 2時間
基礎的な介護技術 1時間
実技 時間
基礎的な介護と重度の肢体不自由者のコミュニケーション技術 5時間
外出時の介護技術 2時間

【追加課程】

講義 時間
医療的ケアを必要とする重度訪問介護利用者の障害及び支援 4時間
コミュニケーションの技術 2時間
緊急時の対応及び危険防止 1時間
実習 時間
重度の肢体不自由者の介護サービス提供現場での実習 3時間

重度訪問介護従業者の養成研修では、上記のカリキュラムをすべて受講しなければなりません。

都道府県によって微妙に講義名目が異なることもありますが、基本的に研修内容は変わらないと考えていいでしょう。

受講費用

受講費用も都道府県や養成機関によって異なりますが、大体2万円程度の費用で受講することができます。

2万円というのは決して安い金額ではありませんが、現在、重度訪問介護の供給は需要に全く追いついておらず、資格を取得しておけば就職や転職でもかなり有利になります。

今後のキャリアアップを狙っている方も、将来への投資と考えて検討してみるといいでしょう。

重度訪問介護従業者取得後の主な働き先

重度訪問介護従業者を取得したあとは、主に重度訪問介護サービスを行っている事業所で働くことになります。

全国に該当する事業所は6000か所以上あるので、就職先を探すことに困ることはないでしょう。

また重度訪問介護従業者の研修では、重度の障害を負った人の基本的なケアを学ぶことができるので、訪問介護以外に障害者介護施設などでも働くことができるでしょう。

しかし重度訪問介護従業者の資格だけだと、手当てもなかなか貰えることができず、なかなか収入を上げることはできません。

そのため重度訪問介護従業者以外にも、難病患者等ホームヘルパーや喀痰吸引等研修など、関連する資格を取得していくことで、手当や昇給のチャンスが増え、年収を上げることができるでしょう。

人間関係に悩んでいる方は訪問介護がおすすめです

介護業界で働く人の中には、従業員同士での人間関係に悩む人も多いです。

ストレスが多い現場なので、日常的にいじめやいやがらせが続く職場も、残念ながら少なくないです。

その点、訪問介護であれば基本的に会話をするのは利用者のみで、職場の人間と長時間顔を合わせることもありません。

介護業界で働きたいけれど、職場の人間関係で悩んでいるという方は、訪問介護業界で働くことも検討してみていいでしょう。

その際、重度訪問介護従業者など訪問介護関連の資格を取得しておくと、就職や転職を有利に進めることができるのでおすすめです。