難病患者等ホームヘルパーは、難病を抱える方の生活支援や自立した生活を送るための援護を行うために、必要な知識や技術を身につけるための資格です。
難病患者は人によって症状もニーズも大きく異なります。
そのためあらゆる要望に応えられるように、難病に関する正しい知識を習得し、サポートするための技能が必要となります。
難病患者等ホームヘルパーの資格を取得するためには、都道府県や自治体が指定する養成研修実施機関にて研修を受ける必要があります。
また研修は3つの過程に分けられており、それぞれ過程ごとに必要となる資格が設けられているので、申し込む前に必ず確認しておきましょう。
このページでは難病患者等ホームヘルパーとは何なのか、また受講するための条件や、資格を取得するための方法を説明しています。
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目次
難病患者等ホームヘルパーの業務内容
難病患者等ホームヘルパーは、難病や特定疾患を持ち、自立した日常生活を送ることが難しい患者のサポートを行います。
基本的に在宅介護がメインとなり、食事のお世話や排せつのお手伝いをします。
またそれぞれ患者が抱える病気について正しい知識を身につけ、症状・状況に合わせた適切な対処も必要となります。
その他、難病を抱える患者の気持ちを理解し、自立支援や社会参加するための心のケアも求められます。
患者の病気や症状によって必要な介護レベルは大きく変わるので、本人や家族とのコミュニケーションスキルも重要です。
修了したカリキュラムによって行える業務も異なり、最も業務の幅が広がる基礎課程Ⅱを受講するためには、介護職実務者研修や介護福祉士など資格が必要となります。
難病患者等ホームヘルパーになるためには?
難病患者等ホームヘルパーになるためには、都道府県や市区町村が指定する養成研修期間にて、所定の研修を修了しなければなりません。
研修は5時間~8時間程度で終わるため、一日で修了することもでき、試験などは用意されていません。
そのため講義を受ける時間さえ確保すれば、資格を取得することができます。
しかし段階ごとに3種類の課程が用意されており、それぞれ受講するためには特定の資格を取得しておく必要があります。
最も難しい「基礎課程Ⅱ」では、介護職員実務者研修や介護福祉士の資格が必要で、実務経験を積んだ方でなければ受講することはできません。
受講資格
課程 | 必要資格 |
---|---|
入門課程 |
|
基礎課程Ⅰ |
|
基礎課程Ⅱ |
|
難病患者等ホームヘルパーとして活躍したいのであれば、すべての過程を修了しておくことをおすすめします。
介護職員実務者研修を受講するには、まず介護の現場で一定の実務経験を積まなければならないので、長期的な計画を立てるようにしましょう。
カリキュラム内容
【入門講座】
- 難病の保険・医療・福祉制度
- 難病入門
- 患者の心理と家族の理解
【基礎課程Ⅰ】
- 難病の保険・医療・福祉制度
- 基礎知識
- 患者の心理と家族の理解
【基礎課程Ⅱ】
- 難病の保険・医療・福祉制度
- 基礎知識
- 難病患者の心理学的援助法
- 介護の実際のカリキュラム
難病患者等ホームヘルパーの研修では上記のカリキュラムをすべて受講します。
入門講座と基礎課程Ⅰであれば4時間、基礎課程Ⅱは6時間ですべてのカリキュラムを修了することができます。
研修費用は?
研修養成機関によって受講料は異なりますが、大体1万円程度で研修を行っているところが多いようです。
また市区町村によっては、年に数回無料で難病患者等ホームヘルパー養成研修を行っているところもあります。
受講しようと考えている方は、まず居住先と勤務先の自治体で養成研修を開いていないか確認してみるといいでしょう。
難病患者とは?
難病患者とは原因や治療法が解明されていない病気や、長期的な療養が必要な病気を患っている人を指します。
平成27年からは新たに難病法が施行され、指定難病に罹患している方は医療費助成や補助金を貰えるようになりました。
今後制度が広がっていけば、難病患者等ホームヘルパーを利用できる家庭も増え、どんどん需要が高まることも予想されています。
介護が必要な指定難病の一例としては、以下の病気・症状が挙げられます。
- がん
- 悪性関節リウマチ
- パーキンソン病
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- 認知症など
一つ上の介護士へ目指す方へおすすめの資格
新しい難病法が施行されたことにより、今後難病患者等ホームヘルパーの活躍の場は増えていくことが予想されます。
難病患者等ホームヘルパーは難病患者の生活支援だけでなく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上という、人に幸せを与える大切な使命もあります。
介護士としてさらに成長したいと考えている方は、ぜひ難病患者等ホームヘルパー養成研修を受講してみてください。