介護福祉士とは福祉系三大国家資格の一つで、取得しておけば一生仕事には困らないとも言われています。
介護業界でキャリアを重ねていくうえで、まずは目指すべき資格といえるでしょう。
しかし介護福祉士は誰でも簡単に試験を受けられるものではなく、3年以上の実務経験や介護職員実務研修を修了していなければ、受験資格を得ることができません。
そのため介護の現場で働きながら、介護福祉士の資格取得を目指すのが一般的です。
このページでは介護福祉士とはどんな仕事をするのか、また資格の取得方法を解説していきます。
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目次
介護福祉士とは?
介護福祉士とは障害や老化が現認で、日常生活を送るのが困難な人を介護するのがお仕事です。
介護福祉士の資格を取得していなくても介護業務を行うことはできますが、介護福祉士には一部医療行為も認められており、介護現場では主力として働くことができます。
高齢化社会が進む中、今後ますます需要が広がる仕事として注目を集めており、国を挙げて労働環境の整備が推し進められています。
2013年から新しくできたキャリアパス制度では、「介護職員初任者研修」「介護職員実務者研修」の上に位置する資格となっており、認定介護福祉士へのキャリアアップも可能です。
ただし介護福祉士になるには国家試験に合格しなければならず、一定のキャリアがなければ受験さえできない仕組みとなっています。
介護福祉士になるメリットとは?
それでは介護福祉士になるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
国家資格だから安定した雇用に繋がる
介護福祉士は法律によって定められる国家資格です。
一度資格を取得すれば、どこに引っ越しても全国で介護福祉士の資格は認められます。
近年、介護業界は深刻な人手不足に悩まされているので、資格を取っておけば将来的にも安定した雇用が保証されています。
一度は仕事を辞めてしまった主婦の方でも、介護福祉士の資格を持っておけば、すぐに復職することも可能です。
現在介護業界で働いている方は、将来のためにも介護福祉士の資格は取得しておいた方がいいでしょう。
仕事の領域が広がる
介護福祉士の資格を取得することで、サービス提供責任者など現場でのリーダー職に就くことができます。
将来管理職を目指している方は、介護福祉士の資格を取ることが一番の近道といえるでしょう。
また職場での信頼を得ることができるだけでなく、法的にも認められる業務の幅が広がります。
たとえば介護福祉士では、医師の指示のもと、以下の一部の医療行為を行うことができるようになります。
- 口腔内の喀痰吸引
- 鼻孔内の喀痰吸引
- 気管カニューレ内部の喀痰吸引
- 胃ろうまたは胃ろうによる経管栄養
- 経鼻経管栄養
そのため介護福祉士を募集している介護施設も多く、今後その需要はますます大きくなることが予想されます。
今後のキャリアアップにつながる
2013年の制度改正によって、介護業界では介護職のキャリアパス制度が導入されました。
その中で「介護福祉士」は上位の資格として認められており、介護職のキャリアとしてはゴールともいえます。
介護福祉士になるためには、130時間の講習が必要な「介護職員初任者研修」から始まり、「介護職員実務研修」を経て、ようやく試験を受験することができます。
また介護福祉士になったあとも、他の資格を取得していくことでさらに専門性を高め、自身の価値をどんどん高めていくこともできます。
介護業界でキャリアを積み上げていくためには、まずは介護福祉士の資格を取得することが重要なのです。
介護福祉士になるには?
介護福祉士になるには、毎年1月に行われる国家試験に合格しなければなりません。
毎年8月~9月に願書受付が始まるので、受験資格を満たしている方はぜひチャレンジしてみてください。
願書は公益財団法人社会福祉復興・試験センターから請求することができます。
介護福祉士試験の受験資格
- 3年以上(540日以上の実務)介護業務に従事した方
- 1の条件を満たし、介護職員実務者研修を修了した方
- もしくは福祉系高等学校を卒業した方
介護福祉士試験を受けるには、3年以上の実務経験を積んでおかなければなりません。
加えて介護職員実務者研修を修了しておかなければならず、受験するには一定の期間と労力が必要となります。
また福祉系高等学校を卒業している方であれば、実務経験がなくても受験することが可能です。
自分に受験資格があるか分からないという方は、必ず公益財団法人社会福祉復興・試験センターで確認をして、申し込み手続きを済ませるようにしましょう。
最短どれくらいで資格を取得できるの?
介護福祉士の資格を最短で取得するまでの期間は、現在持っている資格によって大きく左右されます。
ホームヘルパーなど介護関連の資格を持っていれば、実務者研修の講義が一部免除となるので、早く取得することができます。
ただし無資格・未経験から介護福祉士になるには、最低でも3年間はかかることになります。
試験の難易度はどれくらい?
介護福祉士の試験は年々難易度が下がっており、最近では受験者の70%以上は合格しています。
これは他の国家試験の中でもかなり高い合格率で、一番取得しやすい国家資格であるともいえます。
※しかし試験の難易度が下がった代わりに、受験資格が厳しくなっています
介護福祉士はペーパーテストよりも、積み上げてきた経験が重要視される資格といえるでしょう。
どんな試験を受けるの?
介護福祉士試験では3年以上の実務経験のある方であれば、実技試験は免除されます。
しかし2008年以前に福祉高校を卒業して実務経験なしで受験する方は、実技試験を受けなければなりません。
また筆記試験では以下の項目の中から問題が作られます。
科目 | 詳細 |
---|---|
人間と社会 | 人間の尊厳と自立/人間関係とコミュニケーション/社会の理解 |
介護 | 介護の基本/コミュニケーション技術/生活支援技術/介護過程 |
こころとからだのしくみ | 発達と老化の理解/認知症の理解/障害の理解/こころとからだのしくみ |
医療的ケア | 医療的ケア |
総合問題 | 総合問題 |
介護福祉士の離職率はやっぱり高いの?
介護業界の労働環境の改善は推し進められてはいるものの、やはり他の仕事と比べると離職率は高いです。
しかし2006年には20.3%あった離職率は、2011年には16.1%まで下がっており、年々離職率は改善されつつあります。
他の産業含めるとまだまだ離職率は高いですが、今後さらに離職率は下がっていくことが予想されます。
給与や待遇面でも改善が見られるので、働き先の選び方が重要な仕事といえるでしょう。
海外からの介護士受け入れが増えているけど?
近年では介護業界の人手不足を受けて、インドネシアやフィリピンなどの東南アジアから、介護福祉士の受け入れを始めました。
しかし生活援助の期間が設けられていることや、文化との違いなどから、なかなか馴染めずに定着していないのが現状です。
今後も引き続き海外からの介護士受け入れは続いていきますが、それに伴い日本人の介護福祉士の需要も高まっています。
外国人とのコミュニケーションが得意な方などは、現場でも重宝されるかもしれません。