認定介護福祉士とは新たに制定された介護キャリアパス制度の中で、最上位に位置する予定の介護資格です。
まだ正式に資格制度がスタートしたわけではないですが、介護福祉士の中でも豊富な経験と知識をもったエキスパートしか取得できない資格となっています。
介護業界でのキャリアアップを目指す方にとって、認定介護福祉士は一つのゴールといえるでしょう。
このページでは認定介護福祉士の業務内容や、資格を取得するまでの道のりなどを解説しています。
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目次
認定介護士の業務内容とは?
認定介護福祉士は、現場で働く介護職員のサービスやスキルを向上させるための指導や、サポートなどが主な業務になります。
現場で介護サービスに従事するというよりも、介護職員の管理やサービスの品質向上のための働きがメインとなっていきます。
また高齢者や障害者の介護では、他の医療機関や福祉関連施設との連携も不可欠です。
他職種とのネットワークの中でも中心となり、地域の介護サービスの機能を高めるのも、認定介護福祉士の重要な役割です。
従来の制度でいえばサービス提供責任者や、介護チームでのリーダーが認定介護福祉士の役割に近いといえます。
介護福祉士とはどう違うの?
介護福祉士の主な業務は、介護現場での直接的な介護です。
資格を取得するためのカリキュラムも、直接的な介護を行う際に必要な知識やスキルを習得するものになっています。
認定介護福祉士になると、直接的な介護業務よりも、介護職員への指導や医療機関との連絡・調整役などが主な業務となります。
直接現場で働くというよりも、管理職としての色合いが強くなるのです。
また現状では介護福祉士は国家資格ですが、認定介護福祉士の資格制度はまだ定まっていません。
もしかすると国家資格ではなく、公的資格として制定される可能性もあります。
認定介護福祉士の資格取得を目指すかどうかは、今後の業界の動きを見つつ検討するべきかもしれません。
認定介護福祉士の資格を取得するには?
認定介護福祉士になるためには、介護福祉士として一定のキャリアを積まなければなりません。
また合計400時間以上の研修を修了しなければならず、実務経験によって受講科目が一部免除になるといったこともありません。
そのためほとんどの人は、介護福祉士として働きながら、認定介護福祉士講習を受けることになり、体力的にもかなりハードといえるでしょう。
しかし正式に研修が始まったわけではないので、今後実用的な運営に向けて、一部受講科目の廃止や制度の変更があるかもしれません。
受験資格
- 介護の現場で実務経験が7年以上ある方
- 介護チームのリーダーとして実務経験のある方
- 居宅・居住系、双方での実務経験のある方
現在、日本介護福祉会では認定介護福祉士の受講資格を上記のように制定しています。
居宅・居住系、どちらかの現場でしか働いたことのない方は受験することができないので、認定介護士を目指す方は転職なども検討しておきましょう。
カリキュラム
認定介護福祉士研修Ⅰ類
受講科目 | 時間 |
---|---|
認定介護福祉士概論 | 15時間 |
疾患・障害等ある人への生活支援・連携Ⅰ | 30 |
疾患・障害等ある人への生活支援・連携Ⅱ | 30 |
生活支援のための運動学 | 10 |
生活支援のためのリハビリテーションの知識 | 20 |
自立に向けた生活をするための支援の実践 | 30 |
福祉用具と住環境 | 30 |
認知症のある人への生活支援・連携 | 30 |
心理的支援の知識技術 | 30 |
地域生活の継続と家族支援 | 30 |
認定介護福祉士としての介護実践の視点 | 30 |
個別介護計画作成と記録の演習 | 30 |
自職場事例を用いた演習 | 30 |
合計 | 345 |
介護福祉士養成課程ではカバーできない新たな領域の知識を習得し、他職種との連携を強めるために必要な実践力を身に着けていきます。
また介護チームのリーダーに対して、利用者の目線に立った介護課程を指導するために、必要な知識とスキルも習得します。
認定介護福祉士研修Ⅱ類
受講科目 | 時間 |
---|---|
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅲ | 30時間 |
地域に対するプログラムの企画 | 30時間 |
介護サービスの特性と求められるリーダーシップ・人的資源の管理 | 15時間 |
チームマネジメント | 30時間 |
介護業務の標準化と質の管理 | 30時間 |
法令理解と組織運営 | 15時間 |
介護分野の人材育成と学習支援 | 15時間 |
応用生活支援の展開と指導 | 60時間 |
地域における介護実践の展開 | 30時間 |
合計 | 255時間 |
認定介護福祉士研修Ⅰ類で習得した知識をもとに、介護チームをマネジメントするために必要な知識や、チームを改善・指導するための実践的な知識を学びます。
また指導する上で必要な判断力や想像力などの、応用的な知識もここで身に着けていきます。
認定介護福祉士は転職でも有利になる?
まだ認定介護福祉士は本格的に指導していないので、求人情報など見ても認定介護士の募集はありません。
しかし規模の大きい介護施設や、高品質な介護サービス提供を目指す事業所であれば、認定介護福祉士は必ず欲しい存在です。
認定介護福祉士はマネジメントの勉強もしているので、介護の現場で輝くリーダーを必要としている事業所からのニーズは高いと考えていいでしょう。
また正式に認定介護士の資格運用が始まれば、今後認定介護士配属の義務化など法改正が進むことも予想されます。
管理職になりたい方は認定介護士を目指そう!
将来現場から管理職を目指している方は、認定介護福祉士の資格を取得するのが近道です。
認定介護福祉士の資格を取得することができれば、直接的な介護業務よりも職員への指導や他職種との連絡がメイン業務となり、半ば管理職の業務を請け負うことになります。
認定介護福祉士の資格を取得しておけば、施設長への昇進などキャリアアップにつながる可能性が高いでしょう。