ケアマネージャーとは、利用者のケアプランの作成や施設との調整など、デスクワーク業務をメインで行うお仕事です。
ケアマネージャーになるためには、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、「実務研修」を受講して、「介護支援専門員資格登録簿」へ登録しなければなりません。
受験するまでに5年以上の実務経験が必要になるなど、難易度の高い資格ですが、管理職へのステップアップを実現することもできます。
このページではケアマネージャーとはどんな仕事なのか、そして資格を取得するにはどうすればいいのか解説していきます。
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目次
ケアマネージャーの仕事内容とは?
- 利用者や家族からの介護に関する相談に対応する
- 介護認定申請書の作成や申請の代行業務
- ケアプランの作成
- 各施設・期間との連絡・調整業務
- 現場からの意見のヒアリング・会議の開催
- 給付管理
ケアマネージャーは利用者と施設を繋ぐ調整役としての業務がメインとなります。
ケアプランを一緒に考えたり、各種申請書の作成を代行したりと、現場での介護業務よりもパソコンを使ったデスクワークがメインとなります。
介護職は力仕事が多いため、長年現場で働くとなると体力的にも厳しい部分があります。
そのため長く介護業界で働くのであれば、ケアマネージャーなど各種資格を取得して、業務の幅を広げておくことが大切です。
ケアマネージャーは長年の現場での経験や、専門的な知識がなければ資格を取得できないため、各施設からも重宝される存在です。
どんな職場で働くことができる?
- 訪問介護支援事業所
- 介護保険施設
- 民間介護保険施設
- グループホーム
- 地域包括支援センターなど
ケアマネージャーは介護保険に関する知識を取得しているので、介護保険が適用される施設で働くことになります。
施設によってはデスクワークがメインになることもあれば、他の介護士と一緒に介護業務をこなしつつ、リーダー職に就くこともあります。
また正社員だけでなく、アルバイトやパートとしての求人もあるので、子育てで夕方以降は働くことができない主婦の方でも、ケアマネージャーとして活躍する人は多いです。
それではケアマネージャーになるためには、どんな条件を満たし、どんな試験を受けなければならないのでしょうか。
ケアマネージャーになるためには?
ケアマネージャーになるためには、まず受験資格を取得できる条件を満たし、毎年10月に行われる「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければなりません。
筆記試験に合格した方は、合計87時間の実務研修を受講し、終了した方は介護支援専門員資格登録簿へ登録申請します。
その後、介護支援専門員証が発行され、ケアマネ―ジャーの資格取得となります。
出願してから資格を取得するまで一年近くかかるため、取得を目指す方は年単位で計画を立てるようにしましょう。
受験資格を取得できる条件
- 法定資格を所持し、5年以上資格に関わる実務経験を持つ方
- 所定の福祉施設で10年以上相談援助・介護業務の実務経験を持つ方
ケアマネージャーになるためには、上記のいずれかの条件を満たしておく必要があります。
介護福祉士や社会福祉士の資格を取得している方でも、5年以上の実務経験がなければ受験することはできません。
また法定資格(国家資格)を持っていない方は、10年以上の実務経験がなければ受験できない狭き門です。
その分、ケアマネージャーの資格を取得しておけば、介護のエキスパートとして見られるため、雇用の安定にも繋がるのです。
法定資格とは?
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 医師
- 薬剤師
- 看護士(助産師・准看護師・保険士)
- 歯科衛生士
- 機能訓練士
- 義肢装具士
- 言語聴覚士
- あん摩マッサージ指圧師
- はり師
- 灸士
- 柔道整復師
- 栄養士
- 精神保健福祉士
上記の資格を取得し、5年(900日)以上資格に関する実務経験を持つ方であれば、ケアマネージャーの受験資格を得ることができます。
介護現場で働く方以外でも、業務の幅を広げるために、ケアマネージャーの資格を取得する方も多いです。
2018年から条件が厳しくなっている?
2017年まではホームヘルパー2級や、社会福祉主事任用資格、介護職員初任者研修を修了している方であれば、5年の実務経験で受験することができました。
しかし2018年から受験資格の条件が厳格化され、法定資格を所持して5年以上の実務経験を持つ方か、10年以上の実務経験を持つ方でなければ、受験することはできなくなりました。
年々試験の合格率が下がっていることもあり、受験資格の見直しが行われたのです。
2017年のケアマネージャー試験の申込は終わってしまったので、今後は2018年以降の条件を満たす方でなければ受験することはできません。
受験日当日までに条件を満たせば大丈夫です
5年(900日)以上の実務経験は、受験日当日までに条件を満たせば大丈夫です。
また勤務時間の指定はないので、1日1時間の勤務であったとしても、1日分の実務経験としてカウントされます。
受験日までに実務経験を満たせるかぎりぎりという方は、勤務先と相談して短時間シフトを組んで勤務日数を増やすなど工夫するといいでしょう。
試験科目
- 介護支援分野
- 保険医療サービス分野
- 福祉サービス分野
ケアマネージャーの試験では、上記の科目から合計60問出題され、7割以上の正答が求められます。
記述式ではなくマークシート方式となっていますが、正しく文章を理解しなければ解けない問題も多いので、落ち着いて回答していくようにしましょう。
ケアマネージャーは給料が高い?
ケアマネージャーになったからといって、基本給が数十万円アップすることはありません。
しかし各種手当が増えるので、年収は確実にアップするでしょう。
たとえばケアマネージャーはリーダー職を務めることも多く、土日や夜間連絡の担当に任される機会も増えるため、各種手当を貰うことができます。
また役職につけば、その分役職手当も貰えるので、一般の介護職と比べると確実に年収は高くなります。
ただしどの程度手当てが貰えるかは、勤務先の施設や事業所によって大きく左右されるので、勤務先次第という部分も大きいです。
高齢化社会が進むにつれて、ケアマネージャーの需要は今後確実に高まっていきます。
ケアマネージャーの資格を取得しておけば、求人の数も増えるので、あなたの要望に近い環境で働きやすくなるでしょう。
介護士以外でもケアマネージャーを目指す人は多い
先ほど説明した通り、介護職以外の方でも、看護師や医師などケアマネージャーの資格を取得することができます。
最近では今後老人の数が増えていくことを見越して、介護関連のサービスを導入する医療機関が増えているからです。
ケアマネージャーの資格を持っておけば、介護に関する知識を取得していることの証明にもなるので、仕事の幅を広げることができます。
現在、医療関係で働いている方も、今後のキャリアを考えて、介護関連の資格取得も考えておくといいでしょう。