介護予防運動指導員とは?

レクリエーションをする高齢者

介護予防運動指導員とは、高齢者が健康で自立した生活を送れるようにサポートをするお仕事です。

寝たきりにならないよう筋力向上のトレーニングや、運動を習慣づけするためのプログラムを作成し、指導していきます。

高齢者の研究で実績のある「東京都老人総合研究所」が公認している資格で、研修を受講することで専門的な知識を得られるほか、就職先を増やすこともできます。

このページでは介護予防運動指導員の仕事内容や、資格を取得するまでの流れなどを解説していきます。

※本ページにはPRが含まれます。

介護予防運動指導員の仕事内容とは?

介護予防運動指導員は高齢者が介護を必要とせず、自立した生活を続けられるようにサポートするのが主な仕事です。

高齢者は性別や年齢、生活環境によって体力の差は大きいです。

そのため個人の能力や資質に合わせて、適切な運動プログラムを組み、実践できるように支援することが重要となります。

また持病を持っている高齢者や、すでに一部介護サービスを利用している高齢者の場合、病院や介護施設と連携を取りながら、指導していかなければなりません。

そのため医療や福祉に関する知識も求められる資格なのです。

介護予防運動指導員の資格を取得するには?

介護予防運動指導員の資格を取得するには、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが指定する養成機関で研修を受講しなければなりません。

約30時間程度の講習をすべて受講したあと、修了試験に合格することで修了証と登録証が送付されます。

研修を行っているスクールによって、受講費用などは大きく変わるので、あなたが通いやすいスクールの研修に参加するようにしましょう。

受験資格

介護予防運動指導員の研修を受講するには、介護系か医療系の資格を取得・もしくは取得見込み者でなければいけません。

受験が認められる資格は、介護・福祉系と医療系、それぞれ以下の通りです。
【医療系】

  • 医師
  • 歯科医
  • 保健師
  • 助産師
  • 看護士
  • 准看護師
  • 臨床検査技師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 歯科衛生士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師
  • きゅう師
  • 柔道整復師
  • 栄養士
  • 健康運動指導士

【介護・福祉系】

  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員
  • 介護職員基礎研修課程修了者
  • 実務者研修修了者
  • 訪問介護2級以上かつ実務経験2年以上
  • 初任者研修修了者かつ実務経験2年以上

カリキュラム

講習科目 内容 時間
介護予防概論 高齢化社会における介護予防の必要性と社会的意義 0.75時間
介護予防評価学 包括的介護予防健診の理論と実際
  • 講義1.5時間
  • 実習1.5時間
介護予防統計学 データベース構築と個人情報管理 1.5時間
行動科学 特論 行動科学の理論と行動変容のメカニズム 1.5時間
リスクマネジメント リスク予防と顕在化した後の対応 1.5時間
高齢者筋力向上トレーニング 特論 虚弱高齢者の理解と高齢者筋トレの実際
  • 講義1.5時間
  • 実習10.5時間
転倒予防 特論 転倒・骨折の理解と転倒予防の方法論
  • 講義1.5時間
  • 実習1.5時間
失禁予防 特論 失禁の理解と失禁予防の方法論
  • 講義1.5時間
  • 実習1.5時間
高齢者の栄養改善活動 特論 高齢者の栄養改善活動の理解と方法論 1.5時間
口腔機能向上 特論 口腔機能向上の方法論 1.5時間
認知症予防 特論 認知症の理解と認知症予防の方法論 1.5時間
うつ・閉じこもり 特論 高齢者のうつに対する理解と早期発見・予防プログラ 0.75時間

介護予防運動指導員の研修では、上記の講習すべて受講しなければなりません。

また最終的に修了試験に合格しなければ資格を取得できないので、しっかり自習もこなさなければ資格を取得するのは難しいでしょう。

受講費用

介護予防運動指導員研修の受講費用はスクールによって大きく異なりますが、30時間以上の講習を行うので、安くても8万円程度はかかると考えておいた方がいいでしょう。

講習を行う曜日や日程によって費用は変わってくるので、あなたの生活スタイルに合わせて無理なく受講できるスクールを選ぶようにしましょう。

介護予防運動指導員取得後の主な働き先は?

介護予防運動指導員の資格を取得した人の中には、市区町村や民間が運営するジムで指導員として働くケースが多いです。

近年では高齢者の中にもジムに通う人も増えており、介護予防運動指導員の資格を持っている人を応募している施設も多いです。

また現在働いている職場の中で有効活用する人も増えており、高齢者の利用者が多い施設で働く人は、資格を取得することで活躍の場を広げることもできるでしょう。

高齢者介護の現場で働く方も、介護予防運動指導員の研修で学んだことを活かして、運動プログラムを作成するなどして、利用者の老衰を遅らせることができます。

今後需要の拡大が予想されるお仕事です

今後、日本はさらなる高齢化社会を迎えると言われています。

その中で介護問題は大きな社会問題になっており、介護を予防するという考えも世間に広がりつつあります。

介護予防運動指導員は、今後民間でも広がるであろう介護予防サービスで大きく活躍することができるので、介護・医療関係の資格を持っている人は資格取得を検討してみることをおすすめします。