クレンメとは?

クレンメとは

日本で高齢社会が進んでいく中、介護業界の役割はますます高まっています。

介護関連の職種は多岐にわたりますが、専門用語も多く基本用語や基本的事項の誤解により思わぬ事故を招くことがあり注意が必要です。

今回は、輸液治療で使われる用語「クレンメ」を分かりやすく説明していきます。

クレンメって何のこと?

クレンメは、注射や輸液療法の時に使われる医療用語の一つです。

元々はドイツ語で「鉗子」のことを指しており、胃ろうや点滴などの時に滴下速度と滴下量を調節する器具です。

輸液ルートの組み立て途中に設置され、液体の流量を持続的かつ安定的に調節する役割があります。

使用メーカーによっては「クランプ」と呼ばれることがありますが、使い方はどちらも同じです。

クレンメには操作方法の違いによって「ローラークレンメ」「ワンタッチクレンメ」「スライドクレンメ」などがあり、輸液セット側と延長チューブ側のそれぞれで別々の種類が使われることもあります。

クレンメはどの位置にあると良い?

流動制御式の輸液ポンプでは、閉塞警報センサーを下側に取り付けます。

閉塞警報センサーは、輸液ラインが膨張するとセンサーが押し出されて作動する仕組みです。

そのため、クレンメを閉塞警報センサーと連動するよう輸液ポンプの下側に取り付けておくことで、クレンメの開け忘れによって生じる輸液ラインの閉塞状態を検知できるようになります。

フリーフローには注意しよう!

また、クレンメの開け忘れに気づき、慌てて開けてしまうと大量の薬液が患者に投与されてしまいます。

これを「フリーフロー」と呼びますが、薬剤の中身によっては患者の身体に大きな影響を及ぼす可能性があるため十分に注意が必要です。

他にも、クレンメを輸液ポンプの下側に付けた方がよい理由に、気泡混入時の対処のしやすさが挙げられます。

臨床現場では、輸液ポンプに関連するトラブルには、閉塞アラームのほか、気泡混入アラームが多くみられます。

気泡混入を検知したら、ポンプを止めてクレンメを閉じ、気泡をクレンメの上方部に移動させて除去していきます。

クレンメの開け忘れに気づいた時の対処方法

クレンメの開け忘れに気づいたとき、一気に開けてしまうと大量の薬液が患者に投与してしまうリスクがあるため。

慌てずに落ち着いて対処することが大切なポイントです。

具体的な対応手順としては、輸液ポンプを停止したあとにドアを開けて膨張した圧力を薬液側に抜いていき、液面調整後に自然滴下の確認を終えたら、改めて輸液ポンプにセットします。

輸液投与の再開に際しては、輸液ポンプから患者の点滴刺入部までを目視で指さし確認し、問題がないことを確かめてから開始ボタンを押し、クレンメを全開します。

滴下しているかを目視で確認し、患者に異常がないかどうかを必ずチェックしましょう。

点滴のチューブに空気が入っていた場合の対処方法

輸液ルートに空気が入っていると、患者の血管に空気が入ってしまい身体に異変をきたすことがあります。

多量の空気が血管に入ると、末梢血管から中心の太い血管、右心房へと移り、肺動脈へと流れた空気が塞栓を生成して肺塞栓を引き起こし、循環器障害となるリスクがあるのです。

医療関係者の見解によるとミ、空気の混入量が10リリットルを超えると危険とされています。

輸液ルートに換算するとチューブの長さが2メートルのため、通常1.2メートル程度での運用であれば安全な状態が保たれています。

また、点滴針は静脈に留置しますが、静脈の方が圧力が高いため、血流が輸液ルートを逆流して空気が混入してしまうことはありません。

ただ、微量であっても空気が血液内に入るのはできるだけ避けた方が無難です。

クレンメから上側に気泡を見つけた場合は、クレンメを閉じた後に指などを使って気泡をはじいてやり、点滴筒に追いやっていきます。

気泡よりも大きな空気だった時は、ボールペンなどを使って空気が混入した部位を2・3周程度巻き付け、上方にしごいていきながら点滴筒に空気を押し出していきます。

一方、クレンメから下側に気泡を見つけた時は、患者側に付いている三方活栓を閉じてから、クレンメを開けて輸液の圧力を利用し、空気を外に押し出していきます。

他にも、逆流防止弁が付いているタイプの三方活栓の場合は、シリンジと呼ばれる注射器の筒をつないだ後、同様の方法で空気を吸いだすことで気泡を取り除くことが可能です。

クレンメを正しく使用するために

輸液ポンプは、輸液を安定的かつ持続的に管理したい場合に用いられます。

クレンメは、介護関係者が輸液の滴下量を目視で確認できる役割を持っているため、基本的な使い方を理解し正しい手順を覚えることが医療ミスを防止する近道です。

輸液ポンプを使う際は、機器がきちんと作動しているかどうか、流量を正しく設定しているかを確認します。

機器の流量計だけでなく、輸液パック内の残量を目視でチェックすることが大切です。

輸液ルートが曲がったり絡まっていたりして閉塞状態になっていないかもしっかり確認しておきましょう。

そして、患者の状態に変化はないか、気分が悪くなったりだるくなったりしていないか、血管刺入部に腫れが起きていないか、定期的に観察し安全に治療が行われるようにサポートしていきましょう。