咳嗽反射とは?

咳嗽反射とは?

咳嗽反射は、体の防御機能として大切なものです。

そこで、咳嗽反射のメカニズムや種類、随伴する症状などを説明します。

また、咳嗽反射と関わりのある嚥下障害や咳嗽訓練について知っておくことも必要です。

是非、参考にしてください。

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咳嗽反射とはどのような現象?

咳嗽反射とは、食事中や水を飲む時にむせる現象のことです

気管や肺に食べ物が入らないようにするために必要な防御機能になります。

喉の奥には気道と食道がありますが、食べ物は食道に流れなければなりません。

しかし、気道に流れそうになった時にむせることで流れを止めるのです。

特に食道の入り口にある筋肉が衰えてしまうと、気道方面に流れ込み誤嚥しやすくなります。

咳嗽反射が起こりやすいのは、誤嚥によって気管支や気道に物理的刺激が伝わった時です。

また、ガスのように刺激のある気体やウイルス、細菌感染でも起こります。

さらに、外気の温度が急激に変わった時も咳嗽反射は出ます。

このような状態の時に、体を防御するために咳嗽反射が起こるのです。

咳嗽反射のメカニズム

咳嗽が起こる時には、気管支や横隔膜に刺激が伝わると神経を通して脳の延髄にある咳中枢に届きます。

咳中枢からは咳をしなさいという指令が出されるのです。

この指令が肋間筋や横隔膜に伝わることで、咳の前段階である肺が空気を吸う現象が起こります。

咳をする時は、声門が閉じて、肋間筋や横隔膜が一気に収縮します。

それと同時に閉じていた声門が開き、咳として空気を一気に出すというメカニズムです。

咳嗽を1回するごとに、約2リットルの空気を吐き出します。

秒速100メートル以上の速さもあり、通常の呼吸とは異なる振動になるのです。

この振動が気道についている異物をはがし、体の外へ出すことができます。

咳嗽反射は1回につき約2キロカロリーを消費するので、咳が続く場合は体力の消費に注意が必要です。

咳嗽の種類とは?

咳嗽は急性と遷延性、慢性の3種類に分かれます。

急性とは風邪など呼吸器の感染で3週間未満に治る見込みがあるものです。

遷延性は約8週間以内に治る咳で、感染症以外の原因が考えられます。

慢性とは、8週間以上続くものです。また、状態による分類では乾性と湿性に分かれます。

乾性では、痰が出た時に透明でさらっとしたものがみれる場合です。

喘息や感染後咳嗽、アトピーなどで起こります。

湿性は、粘り気のある痰を伴っている時です。

風邪や感染症に多いですが、長引く時は慢性閉塞性肺疾患や慢性鼻炎、がんなどの可能性があります。

咳嗽反射をすることで起こる症状

咳嗽反射をすることでエネルギーの消耗が起こります。

咳嗽時には多くのエネルギーを使うので、咳をするだけで体力の消費をしてしまうのです。

また、湿性咳嗽の時は、痰に含まれるたんぱく質や電解質が失われるので、より体力を消耗しやすくなります。咳嗽反射をすることで、気道に変化が起こることも特徴です。

循環系では、咳嗽反射によって肺動脈圧が上昇し冠血流量が減ってしまうので急性心不全の原因になります。

このような状態が続くことで懸念されるのが慢性的な疲労や食欲不振、精神的不安定になることです。

体の状態としては皮下気腫や自然気胸、大動脈瘤などの危険も潜んでいます。

咳嗽反射が続くことでヘルニアや尿失禁、流産になることもあるので注意が必要です。

咳嗽反射と関わりがある嚥下障害とは?

嚥下障害は咳嗽反射と密接に関係しています。

嚥下とは、食べ物を認識して口に運び噛んで流し込むまでの動作のことです。

この一連の流れができないことを嚥下障害と言います。嚥下障害の原因とは、脳梗塞や脳卒中などの脳血管疾患です。

また、生まれつき顎が小さい場合や発達障害、パーキンソン病などでも嚥下障害になることがあります。

嚥下障害は、物を飲みこみづらくなったという自覚症状から始まりその後、食事中にむせるようになり咳嗽反射を経験します。

特に固い食べ物やパサついたものが食べられなくなり、半流動食を好むことが特徴です。

嚥下障害の検査では、全身の状態を確認して脳血管疾患などがないか確かめます。

咽頭などの機能を調べるためにはファイバースコープを用いた内視鏡検査や、造影剤を用いたX線透視が適応です。

咳嗽訓練とは?

咳嗽反射をすることで、気道に入ってしまった異物を出すことができます。

しかし、自発的に咳が出ない場合は咳嗽訓練が必要です。思い通りに咳が出ない場合やむせる反応はできても咳として体の外に異物を出せない人が訓練をします。

咳嗽訓練をすることで、自発的に咳がでるように習慣化させていくのです。

咳嗽訓練をするには、腹部が動く腹式呼吸を身に付けるようにします。

息を吸う時にお腹の凹みを確認できたら「えへん」と言う声を出してもらうのが訓練方法です。

この「えへん」と言う時に息を吐けるようにすることで、咳への誘導ができるようになります。

咳嗽反射を理解しよう

咳嗽反射をすることで、誤嚥をした時や細菌などの異物が入ってしまった時に、体を守ることができます。

よって、咳嗽反射は体にとって必要なことなのです。咳嗽反射のメカニズムや随伴症状などを知っていれば、咳き込んでいる人に対応しやすくなります。

また、咳嗽反射ができない人には、咳嗽訓練をすることで体を守ることもできるのです。

さらに、咳嗽に関わる嚥下障害についても知っておくといいでしょう。

嚥下障害は誤嚥しやすくなり、誤嚥による肺炎は重篤化してしまうと命の危険もあります。

咳嗽反射について理解していれば、介護の時に役に立つでしょう。