社会福祉士とは?仕事内容と資格取得までの道のり

公園で車椅子を押す介護士

社会福祉士とは介護福祉士や精神保険士と並んで、福祉系の資格としてはメジャーな国家資格です。

福祉系の4年大学を卒業するか、短大や専門学校に通って実務経験を積まなければ受験することができないので、資格取得を目指すなら年単位の長期的な計画が必要となります。

近年では国の福祉制度が複雑化してきたこともあり、サポートする立場の社会福祉士はより需要が高まっていくことが予想されます。

すでに介護の現場で働いている方も、今後のキャリアを考えて、社会福祉士の資格取得を検討してみてもいいでしょう。

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社会福祉士とはどんな仕事?

社会福祉士とは身体上、または精神上の障害が原因で、日常生活を送ることが困難ななった方たちの、福祉に関する相談相手となりサポートをするお仕事です。

高齢者や障がい者の方だけでなく、育児放棄や虐待で苦しむ子どもたちや、低所得で苦しむ家庭の相談にも対応し、適切な福祉制度を利用できるよう手助けをします。

福祉・医療・行政・教育と、あらゆる機関と連絡をとり、調整するのも主な業務の一つとなります。

そのため福祉に関する専門的な知識が求められ、相談相手が心を開きやすくなるような優れたコミュニケーション能力が必要となります。

また個人や家庭の秘密を知る機会も多いため、他人に秘密を洩らさないという強い倫理観も求められます。

人助けにやりがいを感じる方や、人と会話するのが好きな方におすすめの職業といえます。

社会福祉士は名称独占資格

社会福祉士とは名称独占資格なので、資格を持っていなくても社会福祉士の仕事を行うことは可能です。

しかし社会福祉士の資格を持っていなければ、「社会福祉士」と名乗ることはできず、相手からの信頼も得にくくなります。

また社会福祉士になるには国家試験に合格しなければならないので、資格を保持しておくことで一定水準以上の知識・スキルを持っていることの証明にもなります。

そのため就職時や転職時にも、社会福祉士の資格を持っていた方が圧倒的に有利です。

社会福祉士になるには?

社会福祉士になるには毎年1月に行われる国家試験に合格しなければなりません。

また国家試験の受験資格を得るためには、一定の条件を満たさなければならず、未経験者がいきなり受験することはできません。

筆記試験では専門的な知識が求められるので、専門学校や通信制講座を利用しながら勉強する方が多いようです。

受験資格を得るための条件

  • 福祉系の4年制大学で指定科目を修了した方
  • 福祉系の短大で指定科目を修了し、1~2年の実務経験を持つ方
  • 一般の4年生大学を卒業し、一般養成施設で1年以上通学している方
  • 一般の短大を卒業し、一般養成施設へ1年以上通学、1~2年の実務経験を持つ方

このように社会福祉士は専門の大学や短大を卒業するほか、一般大学を卒業した方でも一般養成施設へ通学することで、受験資格を得ることができます。

未経験の方でも1年程度で受験資格を取得することはできるので、福祉業界に興味がある方はチャレンジしてみるといいでしょう。

社会福祉士になるのは難しい?

2017年の1月に行われた第29回社会福祉士試験では、合格者は1万1828人で合格率は25.8%と、競争率が高く厳しい試験であることが分かります。

10年近く受験を受け続けて、ようやく資格を取得できたという方も珍しくなりません。

社会福祉士は資格がなくても業務ができる分、資格を取得する方には一定水準以上の知識とスキルが求められます。

そのため厳しい試験ですが、社会福祉士の資格を持っておけば、今後のキャリアアップにはかなり役立ちます。

社会福祉士の資格取得を目指す方は、何度か試験に落ちることも想定して、人生プランを組み立てておきましょう。

社会福祉士の主な就職先とは?

  • 一般病院
  • 診療所
  • 精神科病院
  • 老人ホーム
  • デイサービス
  • 高齢者福祉関連施設
  • 障がい者福祉施設
  • 児童相談所
  • 児童福祉施設
  • 学校
  • 社会福祉協議会
  • 福祉事務所

このように社会福祉士には様々な就職先が用意されており、就職や転職を有利に進めることができます。

最近では高齢化や少子化対策として様々な制度やサービスが生まれており、利用するための手続きもどんどん複雑化しています。

そのため福祉に関する専門的な知識をもった、社会福祉士に需要は年々高まっています。

社会福祉士の資格を持っていることを募集条件とする企業も増えており、好条件を提示する職場も増えてきています。

社会福祉士の収入はどれくらい?

社会福祉士の収入は、勤務先の企業の規模によって大きく異なります。

とくに民間の企業に勤める方は、会社の規模によって待遇は大きく変わると考えていいでしょう。

平均値としては大手企業の社会福祉士であれば、平均年収は550万円を超えていますが、小規模の企業に勤める社会福祉士であれば、平均年収は400万円程度です。

会社の規模 平均年収 月収
大規模 550万円程度 35万円程度
中規模 450万円程度 28万円程度
小規模 400万円程度 25万円程度

そのため就職先や転職先選びが、年収を大きく左右することになります。

また社会福祉士だけでなく、関連する資格を取得しておくことで、各種手当が貰えるので収入を増やすことも可能です。