介護職不足が叫ばれているので転職市場においては売り手市場になっています。
しかしながら、介護職の給料がどうなっているのか不安がある人がいるのではないでしょうか。
ここでは、比較的最近つくられた処遇改善手当や、介護職員の給料の推移について紹介していきます。ぜひ参考にしてください。
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目次
処遇改善手当が制度化された背景
処遇改善手当について紹介する前に、それができた背景を見ていきます。
高齢化が進む日本では深刻な介護職不足に直面しています。
厚生労働省の報告によると、2025年度には約40万人の介護職員不足になるという見込みです。
ただでさえ現在において不足気味にもかかわらず将来的にますます介護職員が足りなくなると言われているのです。
そこで国が動いて介護職不足を解決するために介護職員の定着率を向上させる制度を作る必要が出てきました。
そこで出来た制度が処遇改善手当です。
一言であらわすと処遇改善手当てとは、介護職員の給料を上げて仕事に対してやりがいを持つ職場づくりを促進させようという制度なのです。
処遇改善手当とは何か?
処遇改善手当とは介護職員の賃金の改善と安定した雇用の実現のために設けられている制度のことをいいます。
この手当ては通常介護職員として貰うことができる給料に上乗せされる形で給付されます。
2009年に「介護職員処遇改善交付金」が制度化されて2012年から「介護職員処遇改善加算」としてスタートすることになったもので、完全実施してからはまだ日が浅いです。
また、全ての事業所で介護職員処遇改善加算を受けているわけではありません。
なぜなら、各介護事業所は指定基準をクリアして介護職員の待遇をより改善しようという取り組みに熱心でなければ届け出ても認められないからです。
処遇改善手当の指定を受けているかが転職先選びでは重要!
介護職員として転職するときには処遇改善手当の指定を受けているかどうかも検討候補の1つにするといいでしょう。
さらに、この処遇改善手当は事業所の介護職員の待遇改善への取り組みの程度に応じて加算率が高くなります。
なお、処遇改善手当の支給対象はあくまでも介護職員に限定されます。
具体的にはデイサービスや入所施設などで直接介護の仕事に携わっている職員のことです。
そもそも制度の目的が介護職の賃金上昇にありますので、例えば、事業所で働いている事務員や営業職、栄養士などの人は支給の対象外になりますのでくれぐれも注意しましょう。
また、介護職といっても現場で直接介護サービスを提供しないケアマネージャーやサービス責任者といった管理職も対象外になります。
ただし、雇用形態は関係なく正社員やパート、派遣社員でも対象者であれば支給されます。
介護職員処遇改善加算を取得している事業所の割合は?
処遇改善手当の下で「介護職員処遇改善加算」を取得している事業所の割合は全体のどのくらいでしょうか。
厚生労働省の報告によると、全国にある事業所のうち約90%が取得しており、取得していない事業所は約10%程度です。
また、事業所の種類によって手当の取得率に差があります。
介護老人福祉施設であれば約97%以上取得しているのに対して、訪問介護事業所では約70%前後にとどまっているのです。
そうは言っても現在介護職員として働いている人のほとんどが処遇改善手当による給料アップの恩恵を受けているということになります。
処遇改善手当は必ず従業員に支払われるもの?
しかしながら、金額や支払い方法は各介護事務所によりバラツキがあります。
なぜなら、この介護職員処遇改善加算は介護職員に直接支給されるものではなく事業所に支給されるため、そこからどの程度介護職員に配布するかは各介護事業所の裁量に任せられているのです。
一般的には処遇改善加算を取得した事業所は「定期昇給」で支給されることが最も多く、他には「手当ての引き上げ」や「賃金水準の引き上げ」に用いられています。
自身が希望する事業所がどのような裁量で支給をしているのか気になる人は面接のときに直接聞いてみるといいでしょう。
介護職員の給料は年々上昇しています!
処遇改善手当が実施するようになって実際に介護職員の給料はどうなったのでしょうか。
結論からいうと給料は年々増加しています。2012年から2015年のデータを見てみると4年間で月額で約20000円程度上昇しています。
年間であれば24万円も増加しているのです。介護職員と聞くと「給料があまり高くない」というイメージが先行してしまいがちですが、実際には徐々に改善されつつあり、今後も上昇し続ける可能性があります。
そのため、介護職員への転職を検討している人は売り手市場である現在が大きなチャンスかもしれません。
まとめ
介護職員は給料が高くないというイメージを持っている人が少なくありません。
しかしながら、日本の高齢化問題に伴う介護職員不足の問題に直面して政府は処遇改善手当という制度をつくりました。
これは介護職員の給料を増加させて介護職員の定着率を試みたものです。
処遇改善手当の認定を受けている事業所は全体の9割を占めます。
ほとんどの事業所がその恩恵を受けているというわけです。
もちろん、事業所によってどのように支給しているか、どのくらい支給しているかは異なりますので、介護職員の転職を考えている人は事前に確認したり調べてみることをおすすめします。