未経験者から介護職へ転職するコツと覚悟しておくべき注意点

不安そうな女性

介護業界は深刻な人手不足に悩まされており、未経験の方でも介護職として働くことは可能です。

実際に運営されている介護施設を見ても、多くの方は未経験で介護職へ転職・就職しており、働きながら資格を取得したという方がほとんどです。

しかしご存知の通り、介護職は決して楽な仕事ではありません。

勤務時間や業務内容を収入と比べると、割のいい仕事とは言えないでしょう。

それでも人の助けになる仕事がしたい方や、働き先が見つからないという方は、ぜひこの記事を参考に介護業界へチャレンジしてみてください。

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介護職は未経験者でも働ける

介護関連の資格は様々ありますが、食事や移動の補助、入浴や排せつの補助などの基本的な介護業務であれば、未経験者でも従事することができます。

もちろん業務にあたるまえに、基本的なレクチャーは受けることになりますが、1週間程度で現場に出て働くケースがほとんどです。

良質な介護をするためには、専門の知識やスキルも必要ですが、まずは相手を思いやる気持ちが重要な仕事といえるでしょう。

実務経験を積むことで資格取得が可能

介護関連の資格は実務経験を積むことで取得できるものもあり、介護福祉士などは一定期間の実務経験がなければ、受験することはできません。

介護福祉士とは?

現在資格を持っている人の多くは、働きながら資格を取得しているので、資格を持っていないからと引け目を感じることはありません。

また介護職員初任者研修など、未経験者でも受講できる資格もあるので、いきなり働くのが不安な方は研修を受講してみるといいでしょう。

介護職員初任者研修とは?取得方法・メリットを解説

年齢や性別で条件はある?

基本的に介護職の求人で年齢や性別の条件が設けられていることは少ないです。

事業所によっては女性社員が多いなどの特徴はありますが、基本的に女性でも男性でも働くことができます。

しかし年齢は40歳を超えるあたりから、雇用が難しくなってきます。

介護職はどうしても体力勝負なところがあるので、高齢の方が働くには適していません。

未経験者の場合、基本的に若い人の方が歓迎されると考えておきましょう。

40歳超の男性は正社員になりにくい?

介護業界で働く人の割合としては、女性の方が数は多く、男性よりも雇用されやすい傾向があります。

女性の利用者の入浴介助などは、女性でなければ嫌がる方が多いからです。

また40歳を超えていると、体力的に長期間働くことが出来ない人も多いので、正社員雇用を避ける事業もあります。

しかし事業所によって男女の割合や、職員の年齢層は異なるので、一概にはいえません。

40歳を超えた男性の方で、介護業界に興味を持っている方は、まずは施設の様子を見に行って、自分でも馴染めそうか確認しておくといいでしょう。

未経験者の収入はどれくらい?

厚生労働省が発表している「平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、勤続1年目の介護職員の平均給与額は25万8230円となっています。

しかしこの数字は有資格者たちの収入も含まれているので、無資格の方はさらに金額は下がることになります。

また夜勤手当や残業手当を含めた数字なので、実際に働いている人からすると収入が低いと感じることが多いようです。

加えて介護職は勤続年数が増えても、なかなか収入が増えないのも課題です。

以下の表は勤続年数ごとに分類した、介護職員の平均給与額です。

このように長年介護職を続けていても、なかなか収入を上げることができないため、数年働いて他業種へ転職してしまう人も多いです。

介護業界で収入を上げようと思ったら、介護関連の資格を取得しなければならず、勤務時間外での努力が必要となります。

未経験から目指せる介護関連の資格

以下の資格は未経験者からでも目指せる介護関連の資格です。

一定の実務経験を積み、養成機関で研修を受ければ、数年で介護福祉士の資格を取得することもできます。

将来的に管理職を目指している方は、介護福祉士やケアマネージャーの資格取得を目指すようにしましょう。

未経験から介護職への転職を成功させるコツ

ここからは未経験者でも、介護職への転職を成功させるためのコツを紹介していきます。

介護業界は人手不足なので、未経験者でも転職することは可能ですが、待遇の良い事業所は応募も多く競争率も高くなります。

そのため面接を受ける前に、しっかりと対策を練るようにしましょう。

やる気をアピールする

介護職で一番に求められるのは、介護の仕事を前向きにこなせるやる気です。

たとえ資格を持っていなくても、介護職へのやる気があり、前向きな方は雇用される可能性が高いです。

逆にいくら資格を持っていても、やる気を感じられない人は、職場の空気を乱す恐れがあるので雇用を見送られることもあります。

また人と人とのコミュニケーションが好きといった、介護向きの性格であることをアピールするようにしましょう。

キャリアアップへの意欲を見せる

介護業界では長期間働くことができる人も歓迎されます。

そのため未経験であっても、将来的には資格を取得して、キャリアアップしたいといった意欲を見せるようにしましょう。

数年働いたら別業種への転職を考えている方も、面接時には介護職を続けた際のキャリアを語れるようにしておきましょう。

きちんとした身なりを心がける

介護職へ転職する人の中には、高校も卒業していない人や、これまで働いたことがない人も多く、きちんとした身なりをしているだけで評価は上がります。

また待遇の良い人気の事業所へ応募するのであれば、最低限のビジネスマナーは身に着けておかなければ、採用されることは難しいでしょう。

介護職といっても転職自体は他の業種と変わりはありません。

面接では服装・挙動・しゃべり方など、社会人としての基本的な部分も見られるのです。

未経験者が介護業界で戸惑う3つのポイント

最後に未経験者が介護業界へ転職をして、戸惑うことが多い3つのポイントを解説していきます。

何度も言いますが、介護職は決して楽な仕事ではありまえん。

これから介護業界へ転職しようと考えている方は、ある程度覚悟をしなければ仕事を続けることは難しいでしょう。

職員同士の人間関係

介護業界で退職する理由として多いのが、職員同士の人間関係のトラブルです。

夜勤や残業などが続くと、職員のストレスも溜まっていき、職員同士でのいじめが蔓延することも多くなります。

一部の職員に仕事を押し付けたり、報告すべき介護の記録を共有しなかったりと、いじめを受けた職員は働くことができなくなり、退職してしまうケースが多いです。

またいじめを受けた人が退職をしても、次の人へとターゲットが変わるだけで、施設内でのいじめはなくなりにくいのも課題となっています。

介護業務の過酷さ

人間関係以外で多いのが、介護業務の過酷さに耐えられなくなって、辞めてしまうケースです。

一言で介護といっても、実際には排せつ・入浴介助などの他に、バイタル測定やレクリエーション、施設の掃除や一人一人の口腔ケアなど、業務内容は多岐に渡ります。

また何かしらのアクシデントが毎日必ず起こり、定時で帰ることができる日はほとんどありません。

そういった過酷な労働環境に耐えられなくなり、別の施設や他業種へ転職する人は多いです。

職員一人ののしかかる負担は、事業所によって大きな差が出てきます。

仕事を続けられないと感じたときには、病気やケガをする前に別の施設への転職も考えた方がいいでしょう。

なかなか上がらない年収

3年以上働いた職員に多いのが、上がらない年収に嫌気がさして辞めていくパターンです。

介護職は資格を取って手当てをもらったり、昇進をして役職についたりしなければ、基本的に収入が大幅に上がることはありません。

しかし一般の企業と比べて就くことができる役職は少ないので、多くの社員が昇給できないままになってしまいます。

そのため収入を上げるためにも、積極的に研修を受けて資格を取得していくことが重要です。

介護保険制度が見直され、今後はさらに有資格者の需要が高まっていくことが予想されます。

職員の待遇も年々改善されつつあるので、1年や2年働いて辞めてしまうのは少し早すぎるかもしれません。

介護業界の改善は進んでいるけれど…

現在介護業界では様々な改革が始まっており、国を挙げて改善に力を入れています。

2017年からは新しいキャリアパス制度も導入され、介護職のキャリアアップも実現されやすくなりました。

今後はさらに収入や労働環境など改善されることが見込まれているので、介護業界に少しでも興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。