介護現場では保湿クリームが使われており、その代表格がプロペトです。
高齢者の乾燥しやすい肌を補い、皮膚の健康を保つ効果があります。
プロペトとはどんな保湿クリームなのでしょうか。
そしてワセリンと何が違うのでしょうか。介護現場で必ず使用するプロペトを知っておけば、介護職に馴染めやすくなります。
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目次
プロペトは病院でも処方される保湿クリーム
プロペトは、病院でも処方されている保湿クリームです。
体への刺激が少ないため、小児科や皮膚科、眼科でも使われています。
皮膚の弱い赤ちゃんの肌を守ったり、肌トラブルで悩んでいる方にも使われており、その保湿性や安全性も評価されるほどの高品質な保湿クリームと言えるでしょう。
プロペトは第三種医薬品に指定されている
プロペトは第三種医薬品に位置づけられているため市販されています。
例えば、ネットショップで「プロペト」と検索すれば簡単に見つけられるので、乾燥肌の方を中心に購入する方も多いです。
プロペトは介護現場で利用される最も知られている保湿クリームの一つです。
高齢者の肌は、乾燥しがちであるためプロペトを乾燥した患部に塗布することで保湿したり、肌の荒れを回復できます。
プロペトもワセリンも原料は石油
プロペトの原料は石油です。石油由来の保湿クリームというとびっくりするかもしれませんが、石油を精製することでプロペトを生産しています。
石油由来なので安全性が気になりますが、高い精製技術によって不純物を徹底して取り除いているので問題ありません。
もちろん、高い精製技術を持ってしても不純物を0%にはできませんが、赤ちゃんに使っても安全です。
また保湿クリームの代表格であるワセリンも石油精製によってつくられています。
なぜ石油を由来とするのか、その理由は手に入れやすさにあります。
また、オーガニックや天然植物を原料にした保湿クリームよりも石油精製したプロペトやワセリンは生産量が多く、価格も安くなります。
プロペトとワセリンの違い
同じく石油を原料とするプロペトとワセリンの違いは、純度の違いにあります。
プロペトはワセリンよりも純度が高いため、肌に触れても刺激を与えにくいという特徴をもちます。
石油精製した保湿クリームの純度は低い方から黄色ワセリン、白色ワセリン、プロペトとなり、さらにプロペトよりも純度の高いサンホワイトという保湿クリームもあります。
プロペトよりも品質の高いサンホワイトを使えばいいではないか、と思われるかもしれませんが、精製して純度を高くするほどに価格も上昇してしまいます。
そのため、医療現場や介護現場では、可能な限り刺激性が少なく、手に入れやすいプロペトを保湿クリームとして使用されているのです。
プロセトの方が比較的塗りやすい
またプロペトはワセリンに比較して塗りやすいという特徴があります。
ワセリンは比較的に固いクリームであるため、肌にまんべんなく塗るのに時間がかかります。
しかしプロペトは軟調のクリームであるため、容器から取りやすく、患部にまんべんなく塗りやすいので塗布効率も良いです。
介護現場では利用者の皮膚の健康を保つために使われる
介護現場でプロペトはどう使われているのでしょうか。
デイケアでは、入浴後に塗布することが多くなっています。
入浴後の清潔な肌に塗ることで、肌の保湿性能をアップして皮膚の健康を守れることができます。また在宅訪問介護の場合は、介護している家族の方が塗布することが多いです。
褥瘡ができやすいお尻の仙骨部、腰にある大転子部などに塗布することで乾燥を防いで褥瘡リスクを緩和できます。
特養や有料老人ホームなどの老人施設でも入浴後に塗布することが多くなっており、施設の場合は看護師の指示やヘルパーのチェックに基づき、介護士が塗布することが多くなります。
高齢者の肌が乾燥する理由と乾燥を放置してはいけない理由
年齢を重ねると肌の保湿機能が失われ、皮膚の乾燥が進みます。
この皮膚の乾燥が、肌に大きな影響を与えます。皮膚の乾燥を放置すると老人性皮膚掻痒症という病気になり、特に問題がなくてもかゆみを感じじ、かゆみを抑えるためにボリボリと皮膚をかいてしまって肌を傷つけます。
一般的に若者に比較すると高齢者の肌保湿は約30%低いと指摘されています。
また代謝もゆっくりであるため古い角質が残りやすく、肌トラブルも発生しやすくなります。
さらに要介護度が高くなるほどに自力した生活が困難になります。
場合によっては自分で寝返りを打つこともままならなくなり、乾燥した皮膚に負担がかかって血流の流れを悪化させます。
また仙骨部や大転子部などを中心に褥瘡ができるようになり、肌がただれたり、傷つきやすくなります。
このような症状にプロペトは効果的です。
高齢者の乾燥しがちな肌に塗布することで皮膚を健やかに保ち、傷も癒やしてくれます。
プロペトを使用する上での注意
プロペトは不純物が少なく、非常に安全な保湿クリームですが、使用上の注意があります。
まずアレルギー症状を起こした方に塗布すると発疹がでる場合があります。
これはプロペトにわずかに含まれている不純物に対して皮膚がアレルギー反応を起こしたと考えられるため、このような症状が出たらすぐにヘルパーや看護師などに相談してください。
また、万が一目に入ってしまったときは、同僚やヘルパー、看護師などに連絡するとともに水やぬるま湯を準備してください。
急な事態に慌てることも多いですが、落ち着きながら「水やぬるま湯で目を洗いましょうね」などと声をかけつつ、ゆっくりと水やぬるま湯で洗いましょう。
すぐに水やぬるま湯を用意できない場合は、水で濡らしたタオルを目に当てて上げると落ち着きやすいです。
プロぺトは少々の傷であれば保湿して修復を助けますが、ただれの場合は使用を避けてください。