ストーマという言葉は看護現場や介護現場でしばしば耳にする言葉です。
この記事では、ストーマとは何か、ストーマをつけることでどのような変化があるのか、介護士がやるべきことについて紹介していきます。
注意点にも触れていますので、参考にしてください。
※本ページにはPRが含まれます。
目次
ストーマとは何か?
ストーマは体内の病巣を摘出する手術をした後に付けられる人工肛門のようなものです。
本来であれば体の内部にある腸や尿管の一部を体の外に出して、便と尿を排出する出口を作ります。
これがストーマです。
ストーマには「消化管ストーマ」と「尿路ストーマ」の2種類あります。
消化管ストーマであれば便がそこから排出されるようになり、尿路ストーマであればそこから尿が排出されるというわけです。
ストーマは1カ月~2カ月程度でサイズが小さくなる
ストーマは手術を終えたばかりであればむくんでいる状態なので、ストーマのサイズが大きくて患者の多くは不安を抱いてしまうことがあります。
しかし、1ヶ月から2ヶ月程度経過すればむくみもなくなり、徐々にサイズダウンしていきます。
また、ストーマは腸や尿管が体外に出ているようなもので、傷つきやすいため、扱いにはくれぐれも注意が必要です。
ただし、神経が通っていませんので、体外に出ていても痛みを感じることはありません。
ストーマを装着している場合、排便や排尿を自分でコントロールすることはほぼできません。
そして、ストーマ患者に対してそのことに言及することは厳禁です。
本人ではどうしようもない問題なので、何気ない言葉で深く傷ついてしまうことがあるからです。
ストーマの装着による変化とは?
ストーマを装着することでどのような変化がもたらされるのでしょうか。
排泄が自分でコントロールできなくなる
1つは排泄方法が大きく変化します。
ストーマは自分の意思とは無関係に排泄物が出てしまいます。
通常であれば排便は自分の意思で排泄できますし、その反対に我慢することもできてコントロールすることが可能です。
これは肛門括約筋があるからですが、ストーマには肛門括約筋がないため、自分の意思とは関係なく垂れ流すことになります。
そうであれば人と接客しているときや外出しているときに、排泄物が出てしまうのではないかと心配になる人もいるでしょう。
ストーマ装具で日常生活を送れるようになる
その点はストーマ装具があるので安心です。
ストーマ装具とは排泄物を溜める袋のことで、排泄口に付けるだけで、排泄物がその袋の中に留まるのです。
しかも外から見ても装着していることがわかりません。
豊富な種類が販売されていますので、自分のライフスタイルに合致したものを購入するといいでしょう。
一般的には手術を終えた後に医師から説明があります。
ストーマケアは介護職と看護師の重要なお仕事
ストーマを装着する上で重要なことはストーマケアです。
介護現場においてはストーマをつけている要介護者の人もいます。
その人たちにどのようなスト―マケアをすればいいのか説明していきます。
ストーマケアは主に看護師の役割
まずそもそもストーマケアをするのは、看護師の役割であって介護士ではありません。
たとえば、肌に密着しているパウチ交換などを行うのは看護師です。
むしろ、介護士はあくまでも看護師の介助をするのがメインの仕事になります。
たとえば、看護師がパウチ交換をしているときに要介護者の体を支えてあげることや、ストーマの状態を一緒に確認することなどが挙げられます。
ストーマ・便の状態を確認することが大切
特に、後者は非常に重要なことです。ストーマに問題があるときには色が変化したり、出血を伴うことがあるのです。
きれいな赤色であれば正常な状態ですが、色がひどく濃くなっていたりするとストーマに問題があるので、医師に報告する必要があります。
さらに、ストーマの周囲の皮膚が便や尿によってかぶれていないかを見ることも大切なことです。
しばしば見落としてしまうことですのでしっかりと目視をすることです。
他にも、ストーマを付けることで腸が通常よりも短くなっているので、下痢になりやすくなっています。
脱水状態を防止するためにも、便の状態を確認することも重要です。
スト―マをケアする際の注意点
ストーマにおいて注意点もあります。
それは1つには気配りの問題です。
ストーマの交換は慣れていない利用者にとっては精神的に負担があります。
できれば誰にも見られたくないものです。
しっかりと利用者に対して配慮して言葉遣いにも気をつけながらサポートしましょう。
また、激しい運動をするようなときにはストーマに補強のためのテープを付けたり、ストーマ装具を使って固定しなければいけません。
さらに、就寝前には必ず袋の中身をチェックして中に溜まっていたら捨てることが大切です。
これらのことにしっかりと注意して要介護者をサポートしてあげましょう。
まとめ
ストーマは人工肛門のようなものであり、病巣の摘出手術をした患者がしばしば付けます。
自分の意思とは無関係に排泄してしまうので、通常はストーマ装具をつけます。
ストーマをつけたあとはストーマケアが重要になりますが、これは看護師の仕事です。
介護士は看護師の介助をするのが仕事になります。
ストーマの状態変化、便の形状、ストーマ周りの皮膚状態などを目視することで利用者が問題なく使用することができているかを確認します。
ストーマをつけている患者はデリケートになっていますので、くれぐれも配慮を怠らないことが大切です。