高齢化が進む社会で必要とされる介護の仕事へ転職したい人も少なくはないでしょう。
高齢者のくらしを快適にするためのサポートをするなどやりがいがありますが、職員の対応やマナーがとても重視される仕事です。
ここでは、利用者から信頼されるためのポイントを紹介します。
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目次
人は見た目が大事?初めての挨拶では表情やふるまいを大切に
介護の仕事へ転職する前に、マナーが大切な職業だと知っておきましょう。
利用者とのコミュニケーションが業務へ大きく影響するからです。
まず初対面の人から見た自分の第一印象を意識してください。特に初めて挨拶する場では利用者へ不快感を感じさせないよう、丁寧で心のこもった接し方が必要です。
人の第一印象は何を話したかではなく、目線や表情、振る舞いなどの見た目で大半が判断されると言われます。
ですから、初めて会う利用者に対してどんな内容の挨拶にするかを考える前に、利用者の目を見ながら会話し、きちんとお辞儀するなどの基本的なマナーを心掛けましょう。
表情がぎこちなかったり、挨拶もせずいきなり話しかけたりするなどの雑な対応では利用者との信頼関係は築きにくくなってしまいます。
利用者は些細な表情や態度を見て判断して心配したり、気分を害したりする場合も少なくはありません。第一印象は一瞬で決まるものですから笑顔も忘れないようにしましょう。
身だしなみで人柄が判断されてしまう可能性も
見た目のポイントをもう一つ挙げるなら、身だしなみです。
介護の現場では制服を着用する場合が多いですが、不要なほど着崩したり、皺だらけなど不衛生な印象を抱きやすい格好をしたりするのは避けましょう。
流行だからと言って介護の現場にはいらない華美な装飾品やピアスなどを着けるのも、利用者から見れば不信感につながる可能性があります。
また、規則が設けられている場合もありますが、染髪に関しても注意が必要です。髪を染めている人を否定的に見る高齢者もいることを知っておきましょう。
金髪や赤い髪などは利用者を驚かせてしまう場合があるかもしれません。
TPOに沿った身だしなみを心がけ、清潔で派手でない格好をするのが基本的なマナーと言えるでしょう。
明るいトーンではっきりと自分から挨拶しましょう
見た目を整えたら、次は話し方に配慮しましょう。
声のトーンが暗くぼそぼそと話しかけられても、相手が何を話しているのか分からず利用者は戸惑うばかりか、一日がつまらないものに感じてしまう可能性もあります。
近年、挨拶が上手くできない職員も少なからずいるようですが、挨拶は強制的に行うものではなく、自ら進んでするものでしょう。
挨拶が苦手だからと思っていても、利用者からは当然理解されません。
もしかしたら嫌われているのかもしれないと傷ついてしまう利用者もいます。
挨拶はコミュニケーションの基本であり、相手の心を開かせる大きなカギです。
苦手であれば自ら挨拶をする訓練をして、習慣づけましょう。適度な音量で明確に、明るいトーンで挨拶をすれば、利用者も話し掛けやすいタイプだと判断してくれるはずです。
ただし、高齢者の多くは高い声を苦手とします。
なるべく落ちついた高さの声で話すと利用者が聞き取りやすくなるでしょう。
親近感を大切に!利用者との適度な距離感をつかみましょう
丁寧な挨拶は利用者の第一印象を良くする傾向にありますが、過度な丁寧さは逆効果になる可能性があります。
慇懃無礼にならないようにした上で、ある程度の親近感を持って利用者に接するようにしましょう。
しかし、利用者と職員のコミュニケーションには距離感がとても大切になるため、親しみを感じて欲しいからと言って、気心の知れた友人に対するような馴れ馴れしい言動は慎んでください。
目上の人と接するという気持ちを忘れないようにしよう!
多くの場合、職員の方が利用者よりも年下であるため、不快感を持たれる可能性があるほか、さまざまな誤解や偏見が生まれやすくなり、不信感につながる可能性もあります。
利用者にはそれぞれの境遇があり、一人、一人立場も意見も異なるため、気持ちを押し付けず一定の距離をとりながら寄り添うスタイルを心掛けることが大切です。
また、挨拶だけでなく、視線が合ったら笑顔を見せる、忙しい中でも一声かけるなども親近感を持って貰えるきっかけになります。
いきなり本題に入らない!クッション言葉をつかいましょう
初めて利用者に話しかける時にきっかけがつかみやすいように、コツを知っておくと良いでしょう。
職員が実践したいマナーのひとつは言葉のつかい方です。
馴れ馴れしさは避けた方が良いと前項で説明しましたが、特に若い世代で流行っている言葉などを好まない利用者も少なくありません。
それを踏まえた上で、話の本題へ入る前にクッションとなる言葉を使う練習をしましょう。
「失礼ですが~」や「よろしければ~」などは挨拶でもつかいやすいクッション言葉になります。
「こんにちは、よろしければお名前を教えてもらえますか」「おはようございます、ご挨拶したいのでお時間をいただけますか」などと話せば柔らかで丁寧な印象に聞こえます。
話しかけながら相手の様子や状態を見定め、その場の空気感を大切に会話を始めましょう。
また、クッション言葉は挨拶だけでなく、何かを断る場合や、何かをお願いしたい場合など、さまざまなシチュエーションで使えます。
利用者の立場を考えて、気持ちのこもった言葉をかけましょう
利用者が生活するための行為をしやすいようにサポートするのが介護の仕事です。
サービス業とも言える職業ですが、利用者のくらしに深く関わるため、サポートをするではなく、サポートをしてあげると感じる職員もいない訳ではありません。
しかし、職員は介護のプロフェッショナルとして仕事をしているのであって、利用者はあくまでもクライアントです。
気持ちよくサービスを利用して貰うためには、些細な言葉づかいに配慮があって当然でしょう。
語尾で言葉の印象はガラリと変わります!
言葉に含まれる気持ちは語尾に表れやすく、言われた側の利用者がどのような印象を持つかイメージするのが大切です。
例えば「~をしてあげましょうか」と聞いただけではそんなに悪い響きに感じませんが、「~をしましょうか」と言われた方が生活上のさまざまな行為に手助けが必要な利用者にとってスムーズに受け入れやすい言葉と言えます。
特に初対面の職員であれば印象がまるで違って感じられるでしょう。
極端ですが、「お手伝いさせてください」と挨拶を兼ねて言うべきところを「なんかあったら言ってね、してあげるからさ」などと言えば、押しつけがましく非常識だと利用者に感じられても仕方ありません。
敬語をつかっても、イントネーションが悪いと信頼感を得られない
いくら丁寧な言葉づかいに配慮して笑顔で利用者に接しても、イントネーションに問題があると相手へ気持ちが伝わりにくくなってしまいます。
利用者から呼ばれた時に「はい」と返事をするのと「は~い」と伸ばしながら返事をするのでは、全く違う印象になるでしょう。
利用者は安心して職員に介護をして欲しいと思っていますが、同じ返事でも信頼感がなければ頼りがいがないと思われてしまうかもしれません。
「これからよろしくお願いしまーす」と挨拶されたら、仕事へのやる気はあまり感じられなくなります。
敬語を使うのは基本的なマナーですが、語尾を伸ばしたり、不用意に強めたりする言い方はしないようにしましょう。
はきはきとしっかり発音すれば、利用者が聞き取りやすいと感じ、気持ちよく会話を楽しめるでしょう。
まとめ
介護の仕事へ転職するなら、基本的な言葉遣いや挨拶と言ったマナーを身につけておくのが基本です。
特に挨拶は初対面の人と意思疎通を開始する大切なきっかけになり、第一印象に大きな影響を与えます。
まず、身だしなみや振る舞いに気を配り、できれば言葉遣いやイントネーションを見直しましょう。
ただし、笑顔で心がこもった挨拶をすれば不器用な言葉でも相手に伝わるでしょう。
タブーなのは、挨拶もせずに仕事を開始したり、いきなり砕けた物言いで高齢者に対し馴れ馴れしく接したりするなどです。
自分が言われて嫌なことは、利用者も好みません。想像力を持ち、丁寧で親しみのあるコミュニケーションを心掛けるのが大切です。