介護職をされている方で、ゆくゆくは公務員として働きたいと考えている方は意外に多くいます。
しかし、どのように公務員になるのか、どんな仕事があるのかわからなくて、なかなか一歩踏み出せないということもあるのではないでしょうか。
今回は、公務員へと転職するメリットや方法を詳しく解説します。
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目次
介護職から公務員になるメリット
公務員になるメリットで一番大きいのはやはり、その安定性であると言えます。
公務員であれば、職場の母体が国や県、市ですから経営が悪化する、倒産してしまうなどの心配はまずありません。
また、定期昇給やボーナス、退職金などの制度もしっかりとしていますので、収入面でも安定したものが得られるのもメリットのひとつでしょう。
一般的な介護職とは違い、公務員のほとんどは土日祝日が休みですから、家族との時間や自分の時間をきちんと持てるということもあります。
その他には、住宅手当などの福利厚生も手厚いというのも魅力でしょう。
どのような仕事があるの?
介護職で公務員につく場合には、福祉関連の部署で働くことになるでしょう。
公的機関の運営する介護施設、市町村の福祉事務所などが主な職場になることが多いです。
どの部署に配属されるかによって仕事内容は変わります。
介護施設
介護施設では、入居者の生活介助やサポートといった一般の介護士と変わらない仕事を担当することになります。
職場は、公営の老人ホームや介護老人保健施設などになります。
公的機関の病院
病院内では、入院患者の介助サポートを看護師とともにすることになります。
病院内では介護施設と違って介助する方が高齢者とは限りません。
また、介護相談窓口でのアドバイザーのような役割をすることもあります。
行政機関・福祉施設関連
行政機関などでは、福祉に関する相談、高齢者の介護関係の事務的な仕事などを請け負うことになります。
地域の高齢者の生活状態を把握したり、介護保険や介護認定などの仕事もあります。
このようにさまざまな仕事がありますが、採用後もずっと同じ場所で働き続けるということは多くありません。
専門職だとしても関連部署などへの異動はかなり頻繁にありますので覚悟が必要です。
また、介護職として採用されたとしても、必ずしも介護の現場で働くということではなく、デスクワークなどが中心になることもあります。
公務員ですので、配属によっては転勤もあることは心がけておきましょう。
どのような資格が必要なの?
介護職の方が公務員に転職しようと思った時に必ず必要な資格があります。
それは、介護福祉士という資格です。
介護士として働く方の中には、介護職員初任者研修などの資格を持っている方は多くいますが、この資格では公務員としての転職はできません。
国家資格である介護福祉士の資格が必須ですので、持っていない方はまずこの資格を取ることから始めましょう。
介護福祉士以外では、社会福祉士や精神保健福祉士なども公務員へと転職できる資格になります。
このどれもが国家資格になります。
また、国家資格以外では、ケアマネージャーが公務員として働くことができる資格になります。
公務員になるためにはまず、これらの資格の内いずれかを取得する必要があります。
国家資格を多く持っているほうが優遇されるということもありますので、余裕があればいくつか取っておくことも考えてみましょう。
資格はどのように取ればいいの?
介護福祉士の資格を取得するためにはまず、国家試験の受験資格を得なければなりません。
そのためには4つのルートがあります。
福祉系の高校を卒業
未成年の場合は、福祉系の高校に進学してそこで福祉の知識を学ぶという方法があります。
高校生活で受験資格を得て、卒業後に国家試験を受けるという流れになります。
養成施設
こちらは高校卒業後に、福祉系の大学や介護福祉士養成施設へと進み2年以上知識を学んだ後、卒業することで受験資格が与えられます。
実務経験3年以上及び実務者研修
こちらは、福祉系の学校で学ぶ必要はなく実地の経験が必要になります。
3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修が必須になっています。
受験資格を得るには、事業所からの実務経験3年以上であるという証明が必要です。
国家試験ではないケアマネージャーの資格の取り方も見ていきましょう。
ケアマネージャーの試験は毎年一回行われていて、試験を受けるには資格や実務経験が必要になります。
国家資格を持っている場合
介護福祉士や社会福祉士、看護師などの保健・福祉・医療分野の国家資格を持ち、5年以上900日の実務経験があると受験資格が与えられます。
国家資格がない場合
老人福祉施設や在宅介護業務で実務経験を積んでいる方、施設長などで5年から10年の実務経験があれば受験することが可能です。
無事に試験に合格した後は、「介護支援専門員実務研修」を受講して修了する必要があります。
その後各都道府県に登録申請をして受理されればケアマネージャーの資格を取得することができます。
資格を取ればすぐに転職できる?
国家資格を取ればすぐに転職できるのか、と言えばそれは違います。
公務員ですから、資格を取ったうえで公務員試験を受けて合格しなければなりません。
市や県、国が募集している公務員試験に合格すれば晴れて公務員として転職することができます。
公務員の試験は一年に一度、募集と試験がありますので、その期間を見逃さないようにしましょう。
募集期間を過ぎてしまえば、また翌年に試験を受けるしかなくなってしまいますので注意が必要です。
さらに、公務員の試験には年齢制限もありますので、受験する際には年齢にも注意が必要になります。
公務員試験ですので、介護についての知識はもちろんですが、高卒レベルの問題が出る可能性もあります。
事前にある程度は勉強しておきましょう。
公務員の求人について
公務員の募集は普通の求人情報誌などには載っていません。
それではどのように求人を探すかといえば、行政機関のホームページなどを見てください。
基本的には、行政機関の公式ホームページに求人が掲載されています。
公務員への転職を目指している方はチェックを怠らないようにしましょう。
県や市のホームページのほかに、公営病院などのホームページもチェックしておくといいでしょう。
また、介護福祉士専門の転職サイトなどに登録しておくという手もあります。
このようなサイトで非公開の情報を紹介してくれるということもありますので、登録しておいて損はないでしょう。
年収はどれぐらい?合格倍率は?
年収はその地域の公務員俸給表に基づいて支給されます。
民間の介護施設などの場合は、平均年収の相場は250万~400万程度と言われていますが、公務員の平均年収は約600万程度だと言われています。
ですので、一般的な介護職よりも給料はかなり高いと言えるでしょう。
給料の面からも公務員を希望する介護職の方は多く、その分倍率も高くなります。
そもそも募集自体が少ないこと、安定的な職場を求める方が多いことから、毎年多くの受験者が殺到しますので、介護職から公務員へと転職するのはかなりの狭き門だということは言うまでもありません。
公務員への転職を望むならしっかりとした準備を!
民間の介護職から公務員へと転職する方法などを見てきましたが、しっかりとした下準備と知識が必要だということがわかってもらえたかと思います。
なりたいからと言って誰でも公務員になれるわけではありませんので、条件や仕事の内容などをしっかりと確認して受験に向けて準備をすることが大切です。
公務員は待遇や収入の面など魅力的ですから、ライバルは多くいます。
取れる資格は取得してなおかつ、その地域の介護保険などについて把握しておくなど、自分にできることをしておきましょう。
また、介護職経験者として自分がどれだけ社会に貢献できるのかをアピールすることが大切です。
公務員として転職するにはさまざまな壁がありますがそれを乗り越えて、安定して充実した職場を手に入れましょう。